IAQG Podcast Season4 Epsode3 の日本語版を公開しました
IAQG Podcast Season4 Epsode3の日本語版を公開しました。
https://jaqg.sjac.or.jp/iaqg_podcast_seaaon4.html
Unlocking OASIS Insights: Understanding Your Audit Reports
OASISインサイトを読み解く:監査レポートの理解
IAQG(国際航空宇宙品質グループ)のポッドキャスト「クオリティ・ホライゾン」で、航空宇宙産業の監査データベース「OASIS」の新機能**「OASISインサイト」**について、IAQGのグレッグ・フォンテーヌ氏と開発元のジェイク・ルーウィン氏が解説しました。
OASISインサイトとは?
OASISインサイトは、AS9100などの航空宇宙品質監査が完了した後に、認証組織へ自動的に発行される新しい分析レポートです。
その主な目的は、監査結果に対して「合格か不合格か」「不適合(NCR)が何件あったか」という単純な情報だけでなく、**業界の他の類似した監査と比較した際の客観的な背景情報(コンテクスト)**を提供することにあります。
レポートの主な内容と重要な注意点
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比較分析: レポートでは、自社の監査結果を、類似の組織や監査タイプで構成される「比較対象グループ(コホート)」と比較し、ベンチマーキングします。
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AIによる洞察: AI(大規模言語モデル)を活用し、不適合の内容などから改善につながる可能性のある洞察をテキストで生成します(実験的機能)。
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各種データ: 重大・軽微な不適合の分布や、監査に要した日数などをグラフで可視化し、業界全体の傾向と比較できます。
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改善リソースへのリンク: 指摘された不適合の内容に基づき、IAQGの改善ツール「AIM」や、将来的には「SCMH(サプライチェーンマネジメントハンドブック)」の関連資料へ直接リンクし、具体的な改善活動を支援します。
【最重要】レポートをどう解釈すべきか
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これはサプライヤーの格付け(レーティング)ではありません。 あくまで「特定の監査」という一時点での状況を、他の類似監査と比較したものです。
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監査には既に合格しています。 レポートが発行される時点で、監査で指摘された不適合は**全てクローズ(処置完了)**しており、認証は維持されています。
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スコアが低いからといって、性急な判断を下すべきではありません。複雑な組織や厳格な監査では不適合が多くなることもあり、レポートはその結果を改善の機会として活用するためにあります。
今後の展望と関連プロジェクト
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レポートの継続的な強化: 今回は最初のバージョンであり、今後は「エグゼクティブサマリーの追加」「繰り返し発生する不適合の分析」「SCMHコンテンツの統合」など、継続的な改良が計画されています。将来的には、監査前に準備として活用できる「監査前レポート」も検討されています。
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ユーザーからのフィードバック: IAQGは利用者からのフィードバックを積極的に求めており、初期調査では85%以上が「役に立った」と回答するなど、好意的に受け入れられています。
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IAQGのデジタル戦略: OASISインサイトは、IAQGが進めるデジタルイノベーションの一環であり、他にもステークホルダー向け分析基盤「IAQGインテル」や、データ連携を容易にする「IAQGデータサービス」といったプロジェクトが進行中です。
より詳細な情報やレポートの読み方については、OASISのヘルプサイト (oasis-help.iaqg.org
)で確認できます。