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IAQG Podcast Season4 Epsode4 の日本語版を公開しました

IAQG Podcast Season4 Epsode4の日本語版を公開しました。

https://jaqg.sjac.or.jp/iaqg_podcast_seaaon4.html

Navigating Safety Management Systems (SMS)

IAQGポッドキャスト「サプライヤー向けSMSガイダンス」の概要

このポッドキャストでは、IAQG(国際航空宇宙品質グループ)がSCMH(サプライチェーン・マネジメント・ハンドブック)に新たに追加したSMS(安全マネジメントシステム)に関するサプライヤー向けガイダンスについて、その開発プロジェクトチームのメンバーが解説しました。

【背景と目的】

  • 近年、航空機の設計・製造組織(OEMなど)にはSMSの導入が規制として義務化されました。

  • 航空製品の安全性はサプライチェーン全体で確保されるべきであり、SMSが直接義務付けられていないサプライヤーの関与が不可欠です。

  • この新しいガイダンスは、サプライヤーが顧客(OEM)のSMS要求に対応できるよう、必要な情報とツールを提供し、サプライチェーン全体の安全パフォーマンスを向上させることを目的としています。

【QMSとSMSの違いと重要性】

  • **QMS(品質マネジメントシステム)**は、顧客要求を満たす「適合製品」を作るための仕組みです。

  • **SMS(安全マネジメントシステム)はそれに加え、航空安全の向上のために「ハザード(危険源)の特定」「安全リスクの管理」**に焦点を当てます。

  • 個々の部品が品質規格に適合していても、システム全体として安全上のリスクが発生する可能性があるため、SMSによる予防的なアプローチが重要となります。

【サプライヤーへの主なメッセージ】

  1. 既存のQMSを活用できる: 新しいガイダンスは、サプライヤーが既に持つQMSのプロセスやツール(リスクに基づく考え方など)を応用して、効率的にSMSの期待事項を満たす方法を示しています。これにより、サプライヤーの負担を軽減します。

  2. 画一的な解決策はない: 各組織の状況は異なるため、ガイダンスでは最低限の活動から高度な手法まで、幅広い選択肢を提示しています。自社に合った方法を見つけることが重要です。

  3. コミュニケーションが鍵: サプライヤーが持つ「自工程の潜在的ハザード」の情報と、OEMが持つ「航空機全体への影響」の情報を、サプライチェーンの上下間で双方向に共有することが、効果的なリスク管理につながります。

【提供された資料と今後の展望】

  • 新ガイダンス資料: SCMHのウェブサイト (scmh.iaqg.org) で3つの新しい文書(概要、サプライヤー向け期待事項の解説、QMS活用ガイド)が公開されました。

  • 将来の規格改訂: 将来的には、**AS/JIS Q 9100規格(特に8.1.3項 製品安全)**に、SMS関連の要求事項がより具体的に追加される見込みです。

  • 情報展開: IAQGは、この内容をさらに普及させるため、2025年を通じてウェビナーなどを計画しています。

【結論】

SMSの導入は、航空宇宙産業の安全性をさらに高いレベルに引き上げるための重要な取り組みです。サプライヤーは、この新しいガイダンスを活用することで、顧客の要求に対応し、サプライチェーンの一員として航空安全の継続的な向上に貢献することが期待されています。


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